貸店舗Q&A(3)「気に入った貸店舗が見つかったので申込みをして入居審査が通り、契約予定です。先方の不動産業者から契約書の内容について、ひな形(見本)を渡されたのですが、一体どういう所に気を付けて見ていけば良いのでしょうか?」

こんばんは。小泉です。

映画「ゴッドファーザー」シリーズをまとめて買いました。正月休みに見ようと思います。

さて、今回はQ&Aの第3回目です。この質問は出る事もあれば出ない事もありますが、実は結構大事な部分ですし、質問しなくても内心気になっている方は意外と多いのではないかな、と思います。
店舗用不動産賃貸借契約書の内容は居住用の契約書よりも専門的な内容が多く、一般の方には理解しにくい部分がありますので、我々不動産業者としても出来るだけかみ砕いてお客様に説明する事が重要な分野だと思います。また、契約書の内容と現在の大阪の商慣習が違う場合は必ずしも契約書の内容が全てではないケースも結構あります。

契約書の内容だけではなく、賃料や保証金の事も一緒ですが、基本的に交渉事というのは0か100かという話ではなく、どのあたりで折り合いをつけるべきかという判断になりますので、必ずしも自分の意見が100%通るわけでは無いのですが、粘り強く条件のすり合わせをする事は場合によっては重要な事ではないでしょうか。

ここから先は具体的にどういう部分に注意してみていくべきか、解説してきますね。

1.解約予告の期間
貸店舗を契約する場合、当然ですがお店をオープンさせる事に意識が集中しますので、お店が上手くいかなかった場合や理由があって物件を解約する時の事を気にする方はあまり多くないかもしれません。
しかし、契約時でも撤退する時の事もある程度は考えてから進める方がベターです。
こちらの解約予告の期間ですが、路面店舗の場合だと6か月前予告というのが一般的ですが、相談してみれば3か月前とかに短縮出来る事もあります。(大体の相場ですが、2階以上の空中階店舗や事務所だと3か月前、賃貸マンションだと1か月前というのが多いです。)当然ですが、解約予告の期間は短い方が次の展開を考える上では有利ですので、出来るのであれば短めに設定してもらう様にしましょう。後継テナントが簡単に付く様な物件であればあまり気にならないかもしれませんが、家主さんにとっても長引かない方が良い事もありますし、万が一のリスクヘッジという事で。

2.今後の賃料等の変更について
よくある一般的な文面は、「甲(貸主)及び乙(借主)は本契約更新の際に、協議のうえ賃料等を改定することができる。」の様な内容だと思います。
ただ、一昔前の契約書は貸主有利の内容が普通でしたので、例えば「物価や賃料相場の変動や経済情勢の変化、公租公課の増減等で賃料が不相当となった時は甲(貸主)は賃料は改定する事が出来る」みたいな文面がくる事があります。
ちょっと一方的な内容は気持ち悪いので、変更してもらうのがベターですが、なぜかあまり変更してもらえない事も多いです。ただ、現実的には一方的な値上げというのはほぼ不可能なので、それほど気にしなくても良い文面なのかもしれません。

3.敷金(保証金)の返還時期
解約する時に、預けていた敷金が返ってくるタイミングの事ですね。明確に記載されていない契約書もありますが、念のため決めておいた方が良いと思います。
通常は明渡しから1ヵ月後とか2ヵ月後とかが多いのですが、たまに3ヵ月後とかがあります。解約する時にどんな状況になっているかわからないので、出来れば「明渡し後直ちに」という文言がベストなのですが、電気代や水道代の精算は大体1ヵ月後になりますので、敷金(保証金)返還の時期は1ヶ月後位には設定しておきたい所です。当然ですが、貸主の立場で言えば少しでも遅くした方が有利な内容です。実際は契約書では3ヵ月後となっていても、すぐに返してくれる事も多いのですが、そうでないケースもありますので、念のため。

4.建物(物件)の修繕義務について
普通は、建物の主要構造部分(躯体とも言います。柱、外壁、屋根、基礎等)の維持管理及び修繕は貸主負担で、貸室内(契約店舗内)の修繕は借主の負担です。
他に共用部分の修繕についても貸主負担というのが一般的です。

しかし、稀に主要構造部分の維持管理及び修繕も借主負担になっているケースがあります。
ほとんど一棟貸の場合ですが、賃料・保証金共に割安にする代わりに雨漏りとか建物の痛みについても何も言わないで欲しい、という様な意味合いです。
これは結構注意が必要で、何もなければ何もないでお得感があるのですけど、雨漏りの修繕とか結構高くついたりしますし、長期間お店を営業していると段々外壁も傷んでくるので塗り直したりする必要性もでてきます。賃料や保証金が明らかに周辺相場よりも割安ならわかりますが、そうでなければちょっと危険な気がします。要交渉ポイントです。

あと、路面店舗の場合はエアコンもトイレも貸主による性能保証は普通無いのですが、たまにエアコンの維持保全及び修繕の義務を負ってくれる親切な家主さんもおられます。その場合はラッキーだと思いましょう(笑)※但し、大阪ミナミやキタのレジャービルのBAR物件やスナック・ラウンジ物件なんかは、ビル側でエアコンのメンテナンスをしてくれるビルも割とあります。

少し長くなってきましたので、今日はこのへんにしておきます。
物件を契約する時というのは夢と希望に溢れているので、あまりマイナスポイントは目に入らないものですが、少しだけ注意して見てみれば良い契約内容に変更出来たりもしますので、一度冷静にチェックしてみるというのも良いと思います。

キチンと契約内容をチェックしてお客様に説明するのは不動産としての職務なので、上記の様な事を営業担当者と納得いくまで話し合い出来ると良いですね。

もちろん弊社でも貸店舗や居抜き店舗の事、不動産の契約内容や融資の事等、各種ご相談受け付けておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

小泉


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