出店のススメ その④ スケルトン物件について
今回はスケルトン物件についてです。
スケルトンの言葉の意味は「骨組み」を意味し、貸店舗物件におけるスケルトン物件とは内装と設備を施す前の状態のことをこのように呼びます。
ではどのような状態かというと、基本的に天井と壁以外は何もありません。もちろんエアコンや給排水、排気、電気、ガスなどのインフラ等も整っておりません。(近年の新築ビルやマンションで、予め各種インフラ引き込んでいたり、立ち上げ、ダクトやエアコンの設置までは整っている物件が多くなってきました。)
何もないコンクリートの壁と天井で覆われた空間ですので、スケルトン物件は一から店内を自由にデザインすることが出来るといったメリットがあります。何処どこに何々を設置するだったり、客席をどの様に造るか?、お気に入りの家具や備品を計画通りに設置できたりとお店を造る醍醐味を存分に堪能できます。それに家賃もスケルトン物件という理由から、近隣相場から比べると割安なケースも多いです。
ですがその一方、一からお店を造り込まないといけないので、内装工事の費用や工事期間中の時間など居抜き物件では考えられないような事柄が沢山あります。その中でも「こんなに施工費用がかかるなんて・・・」なんて事をよく耳にするのですが、スケルトン物件の一番のネックは工事費用だと思います。一般的にスケルトン物件から店舗を造る時の費用は、坪50万円といわれており、内装や什器等のグレードではさらに費用がかかるケースがあります。
またスケルトン物件からお店を造る際には、原状復帰が必要かどうかの確認もしましょう。多くの場合、退去時には入居する前のスケルトン状態に戻す、原状復帰を前提に契約をすることになります。その場合は退去時の工事にも費用が必要となります。ですので、退去時には内装をそのままの状態で残す居抜き物件として処理してもらえるかを、事前に確認することが大切です。
最近の傾向としまして、居抜き物件を希望されるお客様が多いです。ただ一概にスケルトン物件は費用が掛かりすぎるから難しいと思う方が多いのも事実です。下手な居抜き物件(賃料が高い、造作譲渡代が高い、什器が古い、内装が汚い、使いにくい物件)を改装するより、スケルトン物件で一から造っていく方が結果的に費用も安く抑えれる事も多々あります。
ですので物件を見る際には、居抜き物件とスケルトン物件、それぞれのメリット、デメリットをしっかり見極めて、ご出店して頂ければと思います。
稲泉
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